30歳目前に感じた働き方の限界と葛藤

①【導入】30歳を前に感じる、仕事への違和感と葛藤

大人になりきれず、がむしゃらに走ってきた20代。
上司や先輩に叱られながらも、少しずつ仕事を覚え、いつの間にか一人前に。
言われたことをミスなくこなし、積極的に動けば評価もされた。
しかし、気づけば後輩が増え、周囲の目も「出来て当たり前」に変わっていった。

そして今、30歳を目前にふと立ち止まる。
「これからの自分には、何が求められるのだろうか？」
そんな違和感や葛藤が、心の中で膨らんでいる。

「自分がやったほうが早いし、正確に終わる」
そんな気持ちが、心のどこかにある。
でも、それではチームとしての成長にはつながらない。

いつまでも“できる人”として仕事を抱えていては、
後輩は育たず、自分も新しいチャレンジの機会を逃してしまう。
30歳という節目を迎える今、プレイヤーとしての成長に加え、マネジメント力や周囲を巻き込む力が求められはじめているのを感じる。

この10年で身につけた知識・技術・経験を、後輩にも伝えていきたい。
一方で、まだまだ現場でバリバリ働きたいという想いも消えない。
後輩指導に時間を取られ、自分の仕事に集中できないもどかしさもある。

以前のように「目の前の作業だけに集中する」ことが難しくなり、
“作業をこなすだけの自分”から、“チームを支える存在”へ。
その変化の中で、自分の立ち位置や働き方に戸惑いを感じているのが正直なところだ。

最近、自分の仕事に少し“余裕”が出てきたのを感じる。
ミスなく仕事を進められるのは、これまで積み重ねてきた経験と知識があるからこそ。
そして、そんな自分を育ててくれた上司や先輩の存在にも、改めて感謝している。

今、その“先輩”という立場に自分がいる。
後輩を育てることも、間違いなく大きな挑戦だ。
一人で頑張っていた頃とは違う責任があり、難しさもある。
でも、年齢とともに求められる役割が変わるのは当然であり、
その変化を受け入れることもまた、人としての成長なのだと思う。

自分ができるようになったことを、後輩たちが同じようにできるようにする。
それは想像以上に難しいことだ。
「伝える力」や「任せる勇気」──これまでとは異なるスキルが必要になる。

だからこそ悩むし、考える。
でも、その“もがき”こそが、次のステージへの入り口だと信じたい。
30歳を目前にした今の葛藤は、成長の証であり、歩みを止めずに進むための準備期間なのだ。