結論から言えば、将来の選択肢や年収面を考えると「大卒の方が有利」です。厚生労働省の調査でも、大卒と高卒では生涯年収に数千万円の差が出るとされています。
ただし、高校生のときの私はそうは思っていませんでした。工業高校に進んだ私は「クラスで上位にいれば大企業に就職できて安泰だ」と考えていたのです。
しかし社会に出て10年経った今、はっきりと言えます。「大学に行った方がいい」。
今回は高卒として社会を歩んできた私が、リアルな経験をもとに「高卒と大卒どっちがいいのか?」について解説していきます。
高卒と大卒どっちがいい?データで見る「大卒が有利な理由」
厚生労働省や労働政策研究・研修機構の調査によると、高卒と大卒では生涯賃金に大きな差があります。
最新のデータでは以下のような結果が出ています。

引用:独立行政法人労働政策研究・研修機構「図 21-2生涯賃金(引退まで注1、退職金注2を含む、2022年))(p.5)」
単純計算すると、毎月の給与で約12万円の差が出る計算です。これだけでも「大卒の方が有利」と言えるでしょう。
また世間の声を整理すると、次のようなメリットも指摘されています。
- 就職の選択肢が広い:総合職・大手企業・専門職など大卒に限定された求人が多い
- キャリアアップに有利:昇進条件に「大卒以上」と記載されている企業もある
- 社会的信頼感がある:取引先や上司からの評価も「大卒」というだけでプラスに働く
こうしたデータと声を総合すると、やはり「高卒と大卒どっちがいい?」という問いに対しては大卒の方が圧倒的に有利と言わざるを得ません。
高卒を選んだ理由|中学生の私が工業高校を選んだ背景
中学生の頃の私は、「工業高校に進めば大企業に就職できる」と思っていました。
普通科よりも偏差値が低く、競争も激しくない。その分、工業高校で上位の成績を取れば、大企業への就職ルートが開けると考えたのです。
実際にその選択をした結果、私は大企業に就職し、平均年収以上の収入を得ており生活に困ることはありません。
一見すると「高卒でも十分成功できる」と言えるでしょう。
しかし、この10年で感じたのは、「安定」や「収入」だけで測れない壁があるということです。
転職市場やキャリアアップの場面で「大卒と高卒の差」が思った以上に大きかったのです。
高卒と大卒の違い|社会に出て痛感した3つの壁
社会に出てから強く感じたのは、「高卒と大卒では同じ会社に入ってもスタートラインが違う」ということです。具体的には次の3つの壁がありました。
給与テーブルの違い
同じ部署で働いていても、高卒と大卒では基本給や昇給額が明確に分かれていました。企業の制度上「高卒枠」と「大卒枠」があり、入社時点で将来の給与レンジが決まってしまうのです。努力しても給与格差を埋めるのは非常に難しいと感じました。
昇進・キャリアアップの差
大卒は入社当初から「将来的にリーダー職や管理職を目指す人」が多く、会社側もそうしたキャリアパスを用意しています。一方で高卒は現場職が中心で、昇進できる人はごく一部。統計でも、管理職に占める高卒の割合は大卒に比べて明らかに少ないと言われています。
転職市場での「学歴フィルター」
私自身も転職を考えたことがありますが、求人票の応募条件には「大卒以上」と書かれているものが多く、それだけで応募できないケースがほとんどでした。スキルや経験があっても、学歴の壁によって選択肢が狭まる現実を痛感しました。
高卒と比較して分かる、大卒のメリット3選
社会に出てから感じたのは、高卒にはなくて大卒にはある強みがいくつもあるということです。ここでは代表的なメリットを3つ紹介します。
学歴だけでなく「人脈」と「経験」が得られる
大学生活では、高校時代よりも多様な価値観を持つ人と出会えます。ゼミ活動、サークル、アルバイトなどを通じて築く人脈は、就職や社会人生活で大きな財産になります。
また、1人暮らしを経験できるのも大学進学の魅力。生活力や自立心を養えるのは高卒で就職した私には得られなかった部分です。
将来の選択肢が広がる
大卒であれば、就職先は総合職・専門職・公務員など幅広く選べます。一方で高卒は応募できる求人が限られ、キャリアのスタート地点が狭まります。
さらに、もし就職が合わなくても大学院進学や資格取得に挑戦できるなど、キャリアのやり直しが可能です。
自分のやりたいことを見つけやすい
大学時代は4年間という「猶予期間」があります。勉強を通じて興味を広げたり、アルバイトで社会経験を積んだりする中で、自分が本当にやりたいことに出会える可能性が高いです。高卒で働き始めると生活に追われ、ゆっくり考える時間はほとんどありません。
高卒で社会に出て分かったリアルな現実
高卒で働く道にもメリットはある
私は高卒で社会に出ましたが、それを完全に否定するつもりはありません。
確かに高卒にはメリットもあります。例えば、同級生より早く社会人として収入を得られること、現場で経験を積みながら若いうちからスキルを磨けることなどです。人によっては「早く働きたい」「学費をかけたくない」という理由で高卒就職を選ぶのも合理的だと思います。
ただ「大学に行ける環境があるなら行くべき」
一方で、もし大学進学が可能な環境にあるなら、私は迷わず進学を勧めます。
理由はシンプルで、今の時代「大企業に入れば安泰」という時代ではないからです。実際に大企業でもリストラや早期退職は珍しくなくなっています。つまり、一つの会社に頼るのは大きなリスクであり、転職やキャリアチェンジに柔軟に対応できる「学歴」という土台が重要になってきています。
今の自分が高校生に戻れるなら…
もし今の自分が高校生に戻れるなら、迷わず大学進学を選びます。
高卒で社会に出て痛感したのは、学歴は単なる「肩書き」ではなく、キャリアの選択肢を広げるためのパスポートだということです。これから進路を考える高校生には、「目先の安定」よりも「将来の可能性」を重視してほしいと伝えたいです。
まとめ|結論は「大学進学をおすすめする」
ここまで「高卒と大卒どっちがいいのか?」を実体験をもとに解説してきました。改めて、大卒をおすすめする理由を整理します。
- 将来のキャリア選択肢が広がる
- 転職やキャリアチェンジに強くなる
- 人脈・経験など学歴以外の価値も得られる
- 昇進や収入面で差がつきにくい
もちろん高卒にもメリットはありますし、すべての人に大卒が正解だと言うつもりはありません。
ただし「なんとなく高卒でいいや」と考えるのは危険です。社会に出てから取り返せない不利を背負う可能性が高いからです。
だからこそ、高校生の今「将来どう生きたいのか」を真剣に考えてください。
そのうえで進学が可能な環境にあるなら、私は迷わず大学進学を選ぶべきだと断言します。
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